

塾とひと口に言っても、いくつかの種類がある。小学生が通う塾は大きく分けると「進学塾」「補習塾」「個別指導塾」の三つだ。進学塾は、中学受験を前提としてカリキュラムが組まれている。補習塾は学校での授業についていけない生徒にまずは学校での授業内容を理解させることを目的に授業を行う。したがって、必ずしも中学受験は念頭に置いていないという生徒も多い。周囲が受験するので、途中で中学受験に切り替える子どももいる。また、中学受験は考えていないが、難関高校の受験を視野に入れて、それまでにしっかり実力をつけさせたいと考える親が子どもを通わせている場合も少なくない。個別指導塾は、講師一人に対して生徒一人もしくは多くても数人程度で勉強を見てもらうような塾を指す。普通の教室サイズの部屋でパーテーションのようなもので区切った机に生徒が向かい講師は教室内を巡回するようなタイプと、二〜三人程度しか入らない狭い部屋で勉強を見てもらうタイプがある。いわば家庭教師のいる場所に生徒が出かけていく形と考えればいいだろう。
大学受験を取り巻く環境として、もう一つの大きな変化は、学力や意欲、希望の階層分化現象と言われるものだ。大学受験競争(あるいは、その結果としてのある種の学歴社会を肯定的にとらえる理由の一つに、それによる社会的階層の逆転可能性を期待できることがある。貧しい出自の人間でも、勉強して一流といわれる大学に入ることができれば、それなりの社会的地位が期待できる。そして、その中での競争にさらに勝ち抜き、高級官僚や、企業内のエリート候補になれれば、日本の政治を動かしたり、大企業のトップになったりすることも夢ではない。だからこそ、貧しい家や親が高学歴でない家でも、子どもに期待をかけ、勉強をさせ、受験の勝者を目指させた。しかも、官尊民卑の風潮が強い日本では、公立学校と国立大学が優位であったために、勉強さえできれば、非常に安い教育費で、受験の勝ち組になることが可能だった。そして、現実に、そのような社会的階層の中から、這い上がり、社会の成功者や指導者層になった人は枚挙に暇がない。そのようなジャパニーズ・ドリームがまさに崩壊しようとしている。
多くの英語学習者が(おそらくは痛いほど)実感しているとおり、日本人にとって英語の発音は難しい。英語圏への旅行の最中、水が欲しいと言って何度も聞き返されたり、コーヒーを注文したつもりがコーラを出されたりした人も少なくないのではないか。どうして日本人にとって英語の発音は難しいのか。理由はきわめて単純。日本語と英語の音韻体系が非常にかけ離れたものだからである。たとえば、aboutという何でもない単語をゆっくりと発音していただきたい。日本語でも「彼はアバウトな人だ」なんて言い方をするから(ちなみに、この「アバウト」は完全な和製英語で、元々の英語には「いい加減な」という形容詞的な意味はない)、この英単語をゆっくりと発音しようとすると、ついつい出だしが「ア」の音になってしまう。だが、辞書に記載されている発育記号を見てもらえばわかるとおり、aboutの冒頭の音は、「ア、イ、ウ、エ、オ」のどれでもない、通例「弱母音」とか「曖昧母音」と呼ばれるへひぺである。あえて日本語の音声との関係で説明すれば、少しだけ口を開けて小さく発音した「ア」に近いかもしれない。ただし、前後にほかの音が来ると、また別の母音に聞こえたりもするので注意を要する。逆に、弱母音の発音を覚えたいと思ったら、これが含まれる単語や文をできるだけゆっくりと発音してみること。カタカナの音に引かれそうになるのを我慢しながら曖昧な音を出すのである。ほかの音の発音練習の際にも、わざとゆっくりと発音するというこの学習法は有効なので、ぜひ実践してほしい。
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